結婚式の漢字のお話し
2020/06/11 【披露宴&パーティ (Wedding party)】 セレモニーコーディネーター
セレモニーコーディネーターの高橋です。
ある日このエスタシオン・デ・神戸のブログを読んでいて気づいたのですが、それはウエディングコーディネーター吉田さんの配席にまつわるブログの中で使われていた『高砂』という言葉。
これってもはや業界用語ですね。
そこで日常使わないけれど結婚式ならではの漢字について少し。。。
まず『高砂』。もちろん読みは『たかさご』です。もちろん、と書いてしまいましたが兵庫県の地名にあるし、結婚式用語という二つの要素で私にはなじみ深いですがどちらの要素にも当てはまらない方には読めないのかもしれませんね。これは新郎新婦お二人の席のことです。そもそもの由来は能の高砂からですね。昔のテレビドラマの結婚の場面なんかで定番で流れていました「たぁかぁさぁごやぁぁぁ、、、」っていう曲です。一生添い遂げるというとても縁起のよい内容でその願いもこめて高砂のように仲睦まじく添い遂げる二人の席、といったところでしょうか。
『高砂人形』というのもあってこれは結納式でも飾られる縁起物ですね。もちろん年老いた二人の姿の人形です。
続きまして『不束』 読みは『ふつつか』です。漢字で目にするというよりは挨拶などで使われる言葉ですね。使用例としては
新郎「お義父さん、娘さんとの結婚を認めてください!」
新婦父「貴様のような奴に大事な娘をやれるか!」
新郎「(何か激アツなコメント、全国の新郎さんよろしくお願いします)」
新婦父「…不束者の娘だがよろしく頼むよ。」
みたいな展開でよく使われる『不束』ですが、何か未熟者、半人前みたいなニュアンスですね。元々は『太束(フトツカ)』という武骨な、という意味だったそうですが、武骨→洗練されていない→気の利かない→未熟者「不束」、と変遷したようです。披露宴の結びに新郎新婦が皆様に謝辞を述べられる時も使われますが、未熟者、半人前というのを直接言わずに普段使わない『不束』を使うことでオブラートに包んでいる効果もあるような。最近はストレートに「未熟な二人ですが、、、」と言われることの方が多い気もしますが。
話がそれますが、思い出に残っている結婚式の謝辞があります。それなりの年齢になられていた新郎新婦の謝辞で「まだまだ未熟者、、、というには少々を取りすぎていますが、」と自分自身に突っ込まれて爆笑をかっさらっておられていたのを印象深く覚えております。もちろんそれまでの流れもありますが、謝辞って真面目なだけでなくてもいいんだなぁ、と思った次第です。
今回取り上げた『高砂』『不束』以外にもたくさん業界用語の漢字があります。それはまたの機会に。
セレモニーコーディネーター
高橋